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浮草 [DVD]


印象に残る場面は雨中の中村鴈次郎さんと京マチ子さんの決闘(罵り合い?)

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(YouTubeより)
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こてこての関西弁(河内弁でしょうか?)
鴈二郎さんと京マチ子さんの口喧嘩
凄い迫力です
鴈「このアホ!バカタレ!いい加減にさらせ」
京「なにがなんや?」
鴈「おのれなんぞがでしゃばる幕かすっこんどれ !おのれ あの親子になんの言い分が
あんのや ワイが倅に会いに行って何が悪い 我が子に会うのが何が悪いんじゃ文句ある
か?文句? あるなら言うてみいアホ!」
京「フン、偉そうに言う事だけは立派やな」
鴈「ナニ~!このアマ!」
京「ようもそんな口がきけるな そんな事ウチに言えた義理か?」
鴈「なんやと!」
京「忘れたんかオカヤの事 誰のお蔭で助かったと思てんのや トヨオカの時もそうやったやないか困難の度に頼む頼むてその頭さげよってからに」
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鴈「なに~」
京「そのたんびにワイが旦那衆に泣きついてやったからこそどうにかこうにか持っとんのやないか あんまり偉そうなこと言わんとき!」
鴈「何を~!何ぬかすお前以前の事考えてみい  お前なんざ山中温泉のチンシ?(意味不明)やないか ワイに惚れよって転がり込んで来よってどうにか一人前にさせてもろたんは誰のお蔭や!誰の!恩を忘れるんは犬畜生にも劣るんやぞ アホバカタレ!ワイわなお前みたいな者の世話にならんでもな結構やっていけますのや結構!アホ!ドアホウ!」
京「どっちがアホや アホはそっちやないか お前さんやないか!」
鴈「ぬかしやがったな!」
京「ぬかしたらどうやとゆうんや」
鴈「よ~し!お前との縁もこれきりじゃ 二度とこの敷居跨いだら承知せんぞ!ワイの息子はな お前らとは人種が違うんじゃ人種が!(NHKの過去放送ではなぜか消音)よう覚えとけ バカモン 何ぬかしとんねん クソッタレ アホ ドアホ!」
いやはや鴈次郎さん完全に眼が座って迫力あります。
京マチ子さんは髪のほつれ毛も色っぽく女の情念を感じます。
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駒十郎一座が解散の憂き目に合い、何となく仲直りした二人は
桑名に向かいます
京さんのタバコの扱いかたが秀逸です
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桑名に向かう車中の晩酌
浮草稼業の儚さを感じさせるラストシーンです。

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小早川家の秋 [DVD]

名作と言われる映画の条件の一つとして、あの場面がまた観たくなる・・・という事が挙げられると思います

昔(昭和?)はそのシーン観たさに方々の上映館まで足を運び同じ映画を10回20回と観た映画ファンが沢山いたそうです。

今は簡単にDVDも手に入るし、再生機のチャプター機能を使えば簡単にお気に入りの場面を観ることができます。

まぁ、いいとこ取りのつまみ食い視聴ですが・・・

(本当の映画ファンからは【邪道】と非難されそうです)

【小早川家の秋】(YouTubeより

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森繁さんのアドリブ・・・

ライターの炎を最大にしてタバコに火を点けます。

加東大介さんがマジでビックリしています。

役者がアドリブをする事を極端に嫌う小津監督は烈火の如く怒ったかというと

 「お上手お上手」とこめかみを震わせながら手を叩いて褒めた(皮肉った)そうです。

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後半、森繁さんとの見合いをあっさりと断る事に決めた原節子さんにこんな強烈なセリフを言わせます。

【品性のない人はご免だわ 品行は直せても 品性は直せないもの】

森繁さんに強烈な意趣返しをしました。(個人の感想です)

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顧みてわが身の品性のなさは直らないかもしれないけど

これからちょっとづつでも品性を磨いていこう・・・かな?

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小津安二郎監督

 

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酒とバラの日々 [DVD]

ついに我が社も【在宅勤務】開始

職場の3密回避のため隔日勤務となり

まさに非常事態・・・

もはや戦いの様相を呈して来ました。

映画館ももちろん休業

外出は買い物以外自粛

暇を持て余して本日もDVD鑑賞

【酒とバラの日々】           

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ジャック・レモン主演によるアルコール依存症の怖さを
描いた社会派ドラマです。              
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アルコール依存症を実にうまく演じています
(ご本人も依存症だったんだとか)
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今は平日の午後2時過ぎ
この映画を観たから言うわけじゃないけれど・・・
暇だからって昼間から飲まないようにしましょう。
夕方6時の時報を合図によーいドンで飲むことにしましょう。
だって、酒とは一日も長く付き合いたいから。

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大脱走 [DVD]

コロナウイルス禍で

7都府県に緊急事態宣言発令
休日のお出かけも何となく自粛(元々行きたいところもあんまりないんだけれど)
昔のDVDを鑑賞
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過去の震災や気持ちが沈んだ時にはなぜかこのDVDを視聴してきました。

スティーブマックイーン 相変わらずカッコイイです!

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どうか、この報道が外れ一日も早く前の日常に戻ることを切に願います!!


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麦秋 [DVD]

小津 安二郎監督の【麦秋】をDVD鑑賞
いわゆる紀子三部作と云われる3本(晩春・麦秋・東京物語)の中で
一番美しい紀子(原節子)さんだと、私は思っています。

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女学校時代のお友達役の淡島千景さんも美しい
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淡島千景さん、鬼籍に入られてもはや3年も経つんですね・・・

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女性の笑顔はいつの世も周りを和ませてくれます。

晩年、鎌倉の街で預金通帳ながめつがめつ
、溜息つきながら郵便局から出てきたとか・・・
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隠遁後の私生活を盗撮した記者を一喝してフィルムを取り
上げ、お手製のカレーライスをご馳走してあげたとか・・・

 

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時々、そんな雑音も聞こえてきましたが、私の心の
中で 原節子嬢は【永遠の美女】として生き続けます。

 

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紀子の婚約が決まり、間宮家の記念写真
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撮影終了後の東山千栄子さんはじめ、皆さんの笑顔が自然で素敵です。

ゴッドファーザーパートⅡ [DVD]

ゴッドファーザーパートⅡの断片的かつ独断的な感想文です・・・ 

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イタリアからの移民船がようやくアメリカに辿り着き甲板から、
自由の女神像を乗客が見つめるシーン
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9歳のヴィト・コルレオーネ
父母と兄をシチリヤのドンに殺され命からがら逃げ、アメリカに辿り
つきました。
しょっぱなから涙腺が緩むシーンです
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ヴィトは苦労の末成人し、同じイタリア系の美人の嫁さんをもらい
3人の子(ソニー フレド マイケル)に恵まれます
次男のフレドが肺炎に罹り心配そうに見守るヴィト(ロバート・デ・ニーロ)
うまいしカッコいい!
この役作りのためデ・ニーロ氏は大分減量したんだそうです
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拳銃を預かってもらったお礼に、ヴィトに盗んだ絨毯をプレゼントすると告げる
ピーター・クレメンザ
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コソ泥の小悪党かと思いきや、必要とあらば殺人も厭わない怖い人でした
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中年になったクレメンザ
コルレオーネ家に生涯忠臣を尽くし、主人がネバダ州に移った後は
ニューヨークの縄張りを継承、自分の一家を構え、無事ベッドのうえ
で生涯を閉じたようです。
しかし、凄いメタボ体型です。
この役者さん心筋梗塞のため55歳でこの世を去っています。
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同じく古くからのファミリーの重臣サルバトーレ・テッシオの若き日
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一家の行く末に見切りをつけ、タッタリアに寝返りますが・・・
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そんなことはマイケルにはお見通しで、怖い人達に囲まれ拉致さ
れます。
凄惨なリンチで殺され顔は潰されてマンハッタン島の海に沈められる
んだろうな・・・そんな想像をさせる怖いシーンです。
確か、仁義なき戦いでもこれに似たシーンがありました
(裏切り者役は小池朝雄)
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ヴィトの最初の殺人。
地廻りのやくざファヌッチを殺るシーン。
はじめてとは思えないほど手馴れた手口です。
最初の一撃で心臓を射抜き、2発目は顔面、最後は口に銃身
を突っ込んで一発、とどめを刺します。
内ポケットの財布を抜き取り、もはや仏となったファヌッチを
憎々しげに蹴りあげます。
いつもならこのシーンでスカッとした気分になるのですが
今回はなぜか、【そこまでやんなくても】の気分です・・・

ファヌッチは少なくともヴィト達には暴力は振るってないし
彼にも妻子がいたし、ヴィトの落ち着きはらった貫禄に一目
置いてみかじめ料だって負けてくれたんだし・・・ 

この時点ですでにヴィトは裏社会で生きていく決意だったんでしょう
この業界で伸していくためには邪魔な奴には退場してもらうしかない?
 
銃を壊し、家々の煙突に放り込み、何食わぬ顔で帰路につきます
わが家の前でパレードを見学していた妻にキスし、末子マイケルを
穢れた手で抱き上げ、言ったセリフが【マイケル・・・お父さんはとても愛しているよ】
です。
愛してるんなら、尚更真面目な正業に就いた方が・・・
そうすりゃソニーだって母親にみせられない程惨めな死に方をしないで済んだろうし
マイケルだって実の兄に手をかける事もなく、自分に流れるやくざな血は押し隠して
ケイと幸せな家庭を築けたでしょうに・・・
ヴィトが正業に就いて真面目な人生を歩んでたら物語にはならないでしょうし
大きなお世話なんですが、今回はそう思いました 
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真面目で正義感に溢れていたマイケルが、二代目ドンとなり、
富と権力を手にしてからの行跡は冷酷かつ狡猾なもので家族
愛とは程遠いものです。
ケイからは「あんたの呪われた血の子は欲しくない」と自らの
意志での堕胎を告げられ、逃げられ、肉親は妹のコニーだけ。
「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」 を地でい
くかのように自分の権勢を守るため陰謀策略を駆使し、憎
っくき奴は自の手を汚すことなく始末します。

ラストシーンの「俺ってばいつからこんなんなっちゃったんだろう」
憂いに沈むアル・パチーノの深く沈んだ瞳に深い孤独を感じます。
 
暴力賛美だ!残酷すぎるなどという批判は、この映画の織りなす
光と影の素晴らしい映像美の前では無意味です。
 
パート1に引き続き私のなかのベスト映画の1本です。 
 

ゴッドファーザー [DVD]

「ゴッドファーザー」を久々に鑑賞

170分の長編ですが この映画だけはトイレもタバコも

我慢して最後まで真剣に観ます。

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どのシーンも素晴らしいけど、何度観てもカッコいいのは

銃撃されて瀕死の父(ビィト:マーロン・ブランド)の病院に駆けつけたマイケル

(アル・パチーノ)が誰も父を護衛していないことを知り、偶然見舞いに訪れた

パン屋の若者と病院の玄関前に立つシーン。

堅気の二人は拳銃など持っていないのに コートの懐に手を入れ ハッタリかまして

敵の刺客を追い払います。ひと段落ついてパン屋の若者はタバコを吸おうにも

恐怖で手が震えてライターがうまく点きません。

若者のタバコに火をつけてやりながら、自分があまりにも平然としている事に気づき

「オレにはやはりヤクザの血が流れている」と自覚するカット。

それを目と表情だけで分からせるアル・パチーノの演技のすばらしさ

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悪徳警官と麻薬売人を「僕が殺る」と兄のソニーと幹部に告げるマイケル

私としてはソニーに「大学出のインテリのお前をマフィアの世界に引き込むわけにはいかねぇ」

くらい言って欲しかったけれど・・・

(こいつ、パパにも内緒で志願して 戦争に行って勲章もらったんだったな・・・

案外 使えるかも知んない) って思ったかどうか判りませんが・・・

イタリア式抱擁の後「頭に二発ずつぶち込め」の具体的アドバイス・・・

血塗られたコルレオーネファミリーの責任の一端はこの長兄ソニーにあり?

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ソニーが殺された事を知らされ、悲しむビィト役のマーロン・ブランドP4120185.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーロン・ブランドは当時まだ40代だと思いますが、演技が神がかり的に素晴らしい!

願わくば「地獄の黙示録」でもこんな演技を見せてもらいたかった。

(完全にやる気がなくて大分コッポラ監督を困らせ悩ませたそうです)

ともあれ、映画のなかの映画って感じの映画です(個人の感想)

明日はPart2借りてこようっと。

Part3は・・・いいかな


破れ太鼓 [DVD]

久々にDVDを借りて観た。

木下恵介監督「破れ太鼓」

■公開:1949年
■制作:松竹京都、松竹(配給)
■製作:小倉浩一郎
■監督:木下恵介
■助監:小林正樹、倉橋良介
■原作:
■脚本:木下恵介、小林正樹
■撮影:楠田浩之
■音楽:木下忠司
■美術:小島基司
■主演:阪東妻三郎

進藤英太郎(悪役とかアクの強い方、いつも最後にやっつけられて「アワワ」と慌てふためく人)

主演のTVドラマ「おやじ太鼓」(リメーク)を昔みた記憶があり、阪妻様が主演で面白そうなので借りた。

TVではたしか玩具会社の社長だったけれど、映画では土建屋の社長さん

♪「誰が捨てたかこの太鼓、雷親父の忘れ物」♪

♪「ドンドン ドドンド  ドンドドドドン ドンドン ドドンド  ドンドドドン」

「雷親父」 もはや死語ですね~

 ワンマン経営の故か会社が倒産し、失意の親父を

次男坊の平二が慰めかつ諌めます

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なんか、いい、この人・・・木下忠司さん、木下恵介監督の実弟。本職は音楽家(主題歌作曲)

ピュアな演技が見せます

「僕は、ちっちゃい頃から殴られどうしでお父さんが怖いけど、なんとなくお父さん

が好きで・・・お父さんは僕を好きですか?」

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阪妻「バカもの!自分の子供をなんとなく好きな親がいるか!

みんな大好きだ!!」

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私事で恐縮ですが・・・
10年前に死んだ親父を思い出して落涙しました

 [DVD]

フェデリコ・フェリーニ監督のイタリア映画「道」
原題はLa Strada
1954年(昭和29年)公開ですから。もう60年近く前の作品です。
私の中では、BEST3にランクされる素晴らしい作品です。
私ごときが、厚かましくも、感想文などを・・・
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最初に見たとき、新技法のドキュメンタリー映画だろうか?

と思ったほど リアルな、映像でした。
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ジェルソミ-ナ役のジュリエッタ・マシーナ・・・
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フェリーニ監督の奥方であり良きパートナー、監督を看取り、
後を追う様に5カ月後に天国に旅立ちました
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綱渡りの芸人
 道ばたの石コロだってきっと何かの役にたっている。
とジェルソミーナを励まします
ザンパノに3発殴られ、打ち所が悪くて死んでしまいます。IMG_0027.jpg
本当にアンソニー・クイン演じるザンパノは非道い男です
ザンパノの悪行の数々
①ジェルソミーナの姉を殺した(少なくとも命を縮めさせた)
②救い様のない女たらしで、ジェルソミーナを外に追い出し、
セコイ荷車の中で酒場の女と寝た。
③未亡人の亡夫の服や帽子欲しさにワイン倉で未亡人と寝た
④泊めてもらい飯まで貰った修道院の銀の燭台を盗もうとした
⑤綱渡りの芸人を殺して証拠を隠滅して逃げた
(それが原因でジェルソミーナは精神を病んだ)
⑥雪の積もる寒い荒地にジェルソミーナを置き去りにして逃げた 等々
短気で酒乱のアル中です、そのうえニコチン中毒です。女にだらしなく、たいした芸も向上心も
なく、大道芸人と しては二流です。そのため木賃宿にも泊まれず、一年中バイクに繋いだ荷
車のなかで寝起きする甲斐性なしです。

 

とにかく粗野で卑怯なザンパノです。
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 ラストシーンです。
4~5年後、ジェルソミーナが死んだ事を偶然知ったザンパノが
酒場で荒れ、海岸で泣き崩れ砂かきむしって号泣するシーンで映画は終わります。
そんなに泣く位なら、最初っからあんな無茶苦茶やんなよ!
そう突っ込みたくなるようなラストです。
多分、あの嗚咽は、殺人、姦淫、盗みの戒律を破ったザンパノの、救われない
未来を暗示しているのでしょう。
再見して、カトリック色の濃い映画だと気がつきました。
 (ザンパ=悪 イタリア語)「ザンパノ」って日本名に直すと「悪太郎」位の
意味でしょうか?
修道院の若い尼さんのセリフ
「私たちは、2年ごとに方々の修道院に移ります。ひとつ所に長く留まると、
人や物への執着心が湧いて、神への愛が疎かになるからです」  
う~ん、このセリフが映画「道」の主題のような気がします。
あるサラリーマンのセリフ
私たちは、2~3年ごとに全国の支店や営業所に転勤します。ひとつ所に長く留まると、
会社の金や物への執着心が湧いて、会社への愛が疎かになるからです」
う~ん、身にツマサレマス。
  

ハスラー [DVD]

 1961年公開 ポール・ニューマン主演のビリヤード(ナインボール)の伝説的ばくち打ち(ハスラー)達の物語。

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20年ほど前に、テレビの映画劇場で見て以来の再会です。
 あたりまえの話ですが、若い頃に見た映画を年月を経て改めて見直すと、当時と大分、印象の違う映画となるようです。
 なにしろかっこよかったポール・ニューマンが今回は非礼で無頼で下品な若者に感じられました。
 当時、憎らしかった「ミネソタ・ハッツ」が、今みるとダンディでカッコ良く、案外いい奴なんじゃないかと思いました。
 
  プロの博打打ちの流儀として、相手が「参った」と言うまでプレーは延々と続きます。
 普通、25時間ぶっ続けで玉突いてたら、中年のミネソタのデブ(失礼)はあのメタボの体型ですし、さぞかし苦しかったはずです。それを見抜けずに勝っていた勝負を落とし、自滅したのはニューマンの若さか、あるいはラッパ飲みしていたジャック・ダニエルのせい?
   
  
 しかし・・・博打に酒はつきものとはいえ、やたらと酒を飲むシーンの多い映画です。
 ニューマンは昼夜関係なく、水代わりにビールを飲み、飲みたい時にウィスキーを呷ります。
 
博奕打ちの末路として、最後はやはりハッピーエンドでは終わりません。
 ばくちと酒(女も?)は過ぎると、最後は《あんまり善いことないのよ・・・》天からそんな声が聞こえてきそうな   映画でした。(個人の感想です)
 
 実生活のポール・ニューマンは亡くなってもう5年も経ちますが、83歳の天寿を全うされました。
 PS:貸しDVD屋さんでニューマン主演のハスラーの続編を見つけましたが、共演がトム・クルーズ(嫌いというか苦手)なんで見ようかどうしようか迷ってます。

バード [DVD]

天才アルトサックス奏者、チャーリー・パーカーの生涯を描いた1988年の作品です。

題名となった「BIRD」はチャーリー・パーカーの愛称です。

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監督はクリント・イーストウッド。名優であり、思想的にも

ニュートラルでフェアな尊敬に値する方・・・だと思います。

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パーカー役の「フォレスト・ウィテッカー」どことなく笑福亭

鶴瓶に似た愛嬌のある顔立ちです。・・・ちょっと恰幅の

良すぎるのが気にはなりましたが。「うまい!」名優です。

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ユダヤ系移民の結婚披露宴でビ・バップを奏で大喝采のシーン。

長老(花嫁の父?)がパーカー達に演奏の謝礼を渡し、別れ際に「ドナード~ナ!」

と寂しげに呟いたのが心に残ります。日本語字幕では「聞くな・・・聞くな!」でした。

        

バード:享年34歳 

     死因;肝硬変と出血性食道潰瘍からの心臓圧迫による心不全

感想;バードはクスリと酒、女の無頼の生活ゆえ夭逝して、なおJAZZ史に燦然

   と輝く業績を残した。富も名誉もない僕は、とりあえず健康に留意して長

          生きを目指そう。       


あなただけ 今晩は [DVD]

原題は「イルマ ラ デュース(可愛いイルマ)」ミュージカルの映画化で、舞台はフランスのパリ。

お人好しの警察官ジャック・レモンと娼婦イルマ役のシャーリー・マクレーンがいい味出してます!

「アパートの鍵貸します」(1961年公開)以来の名コンビです

当初、監督のビリー・ワイルダーはイルマ役はマリリン・モンローと決めていたそうですが。モンローの急死で急遽マクレーンが演ることになったんだそうです。

モンローがもしイルマ役をやっていたとしたら?この作品も随分と違ったものになっていたと思います。

例えば、黒沢監督の「影武者」 線が細く、大仰に目を剥くだけの仲代より、どっしりした勝新の信玄を見たかったという声は良く聞きます。

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 ブロンドのモンローにイルマのトレードマーク、緑のストッキングや大きなリボンは似合わない気がするし、モンローはイルマの持つ〔可愛い〕のキャラじゃない気がします。もっとも職人肌のワイルダー監督の事、上手に料理して魅せたんでしょうが・・・
私はシャーリー・マクレーンのイルマに一票です。
 
 余談ですが、劇中ハート型の派手なサングラスかけていつもガムを噛んでた年増の娼婦・・・「アパートの鍵貸します」で、失恋してヤケ酒のジャック・レモンにストローの袋を吹きかけてちょっかいだしてた あの、ロンリー未亡人ではないかと思うのですが・・・甘えた様なハスキーボイスにちょっとトキメキ(今風でいえば萌える?)ました。
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「アパートの鍵 貸します」より

今日見たDVD 破戒 [DVD]

破 戒


■公開:1962年
■制作:大映
■製作:
■監督:市川崑
■助監:
■脚本:和田夏十
■原作:島崎藤村
■撮影:宮川一夫
■音楽:
■美術:
■主演:市川雷蔵
【ネタバレ無し】

寸評:出演者が豪華、市川雷蔵 中村雁次郎(坂田籐十郎・中村玉緒のお父さん) 

杉村春子 船越英二 長門裕之 藤村志保 浜村純

浦辺久美子 三国連太郎 岸田今日子 ほか

明治37年、日露戦争開戦翌年の長野県の小諸が舞台、身分制度の名残、部落差別がテーマの作品。

重いテーマですが、作中、唯一笑えたのは、普段は人格高潔なお寺の住職(中村雁次郎)が実はとんでもない好色エロ坊主で養子の藤村志保(デビュー作らしい)に突然襲い掛かり、抵抗されてメガネをこわすカットでした(なんで笑えたか・・・演技じゃなくまんま地でやってるようにみえたから)長門裕之の、多少青臭い小学校の先生役も適役。しかしこの方、チンピラやくざやインテリ青年役なんかも器用に演じ分けられる稀有な役者さんです。(でした)

なんにしろ、家柄や出自などで差別してはいかん!・・・絶対にいかんと思った映画でした。

【敬称略 出演者名の間違い・・・あるかも】

 


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