おりひめ5 [おりひめ]
山に栄光あれ!
山に許しを請う!私の意気地なさを
私は途中で山をおりようとした。気にしなくてもいいことにくよくよして、いつも自分を見失い、皆の先頭に立つことが重荷になって。私は途中で、いや、もう一歩という所まで来て山をおりようとしたのだ。
そのため他人に迷惑をかけるという私の山の警句を破る破目になった。一時の感情のために、大切な頂上での感激を忘れるところだった。
山に許しを請う!身勝手な私を
東高に入学してその月にもう山岳部に入部した私。何の大それた気持ちもなく、何の考えも持っていなかった時期。無邪気なあの頃は最高に素晴らしかった。
一年の年の夏期合宿での辛さ。それに勝る喜び。くたくたに疲れはて、必死になっている自分にわくわくした気持ちを覚え。
怠けている上級生に腹まで立てたあの頃。
現在、自分の言動に対しどう思っているか。文章に書くまでもなく、いや、表現する以上に自分を責めている。
山に許しを請う!友への裏切りを
私は山の友を裏切った。友の信頼を裏切った私は何も言うことが出来ない。
山に許しを請う!三年間の失敗を
卒業は終わりではない。山から離れても山を忘れることはできない。もう一度、いや、何度でも行きたい心の山々。飯豊連峰でみた夕焼け、秋の巻機、あの絵の様な風景は今も残っている。何年か先になるかも知れないし、ことしすぐそのチャンスはやってくるかもしれないが、私の希望は広がってゆく。
昔を懐かしむのは老いた証拠だといわれるが、何もせず三年間過ごしたものに比べれば、私達はたとえ失敗ばかりだったとはいえ少しでも心に残る学生生活を送ってきたことを信じている。
山に栄光あれ!!
おりひめ第5号より転載
なんとも情熱にあふれたM先輩の文章です。そういえば、M先輩の愛車も情熱の「真っ赤」なワーゲンでしたね。山荘の地鎮祭のときには祭司(仏式)を務めていただきました。
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