おりひめ7 [おりひめ]
R先生「おりひめ初登場です」
山 ―雑 題―
名前は知っていても、まだ本物にお目にかからぬ花―心の中にイメージで花を見事に咲かせたものの一つにエーデルワイス(ウスユキソウの類)がある。知床のハマナスもそうであるように。
ものの本によればウスユキソウの類は北半球のユーラシアに多くあって、およそ三十種ほど、南米にも少数あるという。ところが高山植物に入れられるものはごく小数で、ヨーロッパではエーデルワイスが唯一の一種。アルプスの山々に夏、可憐な花を咲かせる。そのためか「アルプスの星」などとも呼ばれ、ヨーロッパ・アルプスでは名花中の名花として珍重され、岳人の憧れの花と云われている。
日本では中部から東北、北海道の高山で大抵この同族がみられ、幾種類かのものが知られている。
ヨーロッパアルプスの厳しい冬の氷と短い夏の単純な気候に較べて、我が国は各地の気温、降雪降水の微妙な違いから各地のこの同族 ―ウスユキソウ― は花弁に葉茎に独自の姿を形づくる。岩礎地に咲くが山地によって分布も限られ、地域の特産になっているものが多い。
各地にあるウスユキソウの類でエーデルワイスに最も良く似ているのがハヤチネウスユキソウ。”みちのく”岩手、北上山地の最高峰早池峰山地に咲く。上信越国境の岩山にはホソバヒナウスユキソウ。谷川の岩陰でも夏に美しい姿を見ることがある。
ヒナウスユキソウ― 一名ミヤマウスユキソウとも呼ばれるが、夏期行事で我々が月山に行く頃、山頂付近で歓迎してくれる、草丈は高くなく、冬の豪雪に耐えるが如き、横広がりの”さま”はいじらしい。頂上小屋より湯殿山へ向う北斜面は見事な群落を見せる
ヒメウスユキソウ。中央アルプス― 木曽駒に分布、そのためコマウスユキソウの名でも知られ、宝剣の岩場から空木岳への尾根道に二つ三つあるいは七つ八つと小さな群れをつくる
木曾駒ケ岳というより宝剣の千丈敷カールまで山麓よりロープがかかり下駄やハイヒールでも三千メートルの山に立てるため、年々荒らされて、木曽駒頂上ではもう見られない。ここより一歩、空木までの八時間行程の尾根に踏み出すと、岩礎の間に咲いている。
岩に乗せた靴の下に二輪、朝の陽に露を光らせていた。思いの外、花は小さい。濃緑の細い葉々。すうっと伸びた茎の上に灰白色の花― 四、五枚の花弁を星の様に広げ、細かい綿毛がまるでフェルトだ。
その名の通り、実に美しい。恋焦がれたメッチェン(編者注:独語 若い女性)に出会ったかの如く、夢中でシャッターをきる。・・・・・・
まだ見ぬ”彼女”には、 エゾユキソウ、 最北の島に住む レブンウスユキソウ、 それに シロウマウスユキソウ などがある。
おりひめ第7号より転載
先生からの年賀状です。クリックすると拡大表示します。
実は、先生7月に外科の手術をされました。10月に私、同期の代表として、旧巻町のご自宅にお見舞いに伺いました。ちょっと痩せましたが、殊の外お元気そうで安心しました。7月の豪雨で沢が涸れた清水部落の様子をしきりに気にかけておられました。
こんばんは。
ご訪問 & (^^)v ありがとうございました。
by hirochiki (2011-12-19 18:37)